玄関で足が止まった日
随分と前ですが、
片付けができない一人暮らしの高齢者のお宅へ
訪問したことがあります。
玄関を上がってすぐのマット。
その上で、
小さな何かが動いているのが見えました。
虫です。
靴下越しでも足元がゾワっとして、
一瞬、身体が固まりました。
「ああ、この家はもう普通の生活ができる状態じゃない」
そう直感したのを、
今でもはっきり覚えています。
自炊の気配がないキッチン
玄関のすぐ先は
キッチンダイニングでした。
しかし、そこには
生活の気配がありません。
ガス台の上には物が積み上がり、
調理ができる状態ではありません。
冷蔵庫を開けると
鼻をつくような臭い。
いつ買ったのか分からない食材。
腐ったものも混ざっています。
床にはビニール袋や段ボール。
足の踏み場もありません。
この状況を見て、
自炊をしていないことは
一目で分かりました。
「物の中で暮らす」という現実
その家には
3つの部屋がありました。
しかし――
①完全に物置になった部屋
段ボールや生活用品が山積み。
もう部屋として使える状態ではありません。
②こたつとパソコンの部屋
ここが生活の中心のようでした。
こたつの周りに物が積み上がり、
小さなスペースだけが空いています。
どうやら
ここで一日を過ごしているようでした。
③寝室のはずの部屋
しかし――
布団が見えません。
聞いてみると

最近はこたつで寝ちゃうんだよ。
とのこと。
ですが、その状況を見る限り
床から立ち上がる生活はもう難しいと感じました。
まずは最低限の片付けを
このままでは
生活が維持できません。
そこで
不用品回収業者に依頼し、
まずは
- キッチンダイニング
- 寝室
この2部屋だけでも
片付けてもらうことにしました。
残りの
- 物置の部屋
- こたつの部屋
は後回しです。
とにかく
最低限の生活スペースを確保することが
最優先でした。
「もったいない」と「探せない」の悪循環
どうして
ここまで物が増えてしまったのか。
聞いてみると
理由はとてもシンプルでした。

もったいなくて捨てられないし。
でも、どこに置いたか分からなくなるんだよ。
だからまた買ってしまうんだ。
さらに

通販で良さそうだと思うと
つい買っちゃうんだよ。
と言います。
つまり
物が多すぎて探せない
↓
また買う
↓
さらに物が増える
この悪循環です。
そして最後に
こう言いました。

物があり過ぎて探すのも大変なんだよ。
買った方が楽だし。
この言葉は、
とても印象に残っています。
高齢者を狙う“契約のワナ”
さらに話を聞くと
気になることがありました。
携帯電話の料金です。
なんと
月1万円以上。
内容を確認すると
- 大手キャリア契約
- パケット放題
- 不要なオプション多数
明らかに
使いこなせていない契約でした。
本人に聞くと

言われるままに契約してしまって…
と言います。
そして

スマホとか、使い方もよく分からないし。
店員さんにすすめられたままだよ。
と。
一人暮らし高齢者の本当のリスク
高齢になると
- 判断力の低下
- 情報理解の難しさ
- 手続きの複雑さ
こうした問題が出てきます。
説明を受けても
完全に理解できないまま契約してしまう
そんなケースは
決して珍しくありません。
特に危険なのが
一人暮らしの高齢者です。
近くに
- 家族
- 相談相手
がいないと、
間違った契約や買い物を
誰も止められません。
そして気づけば
- 物が増え
- お金も減り
- 家はゴミ屋敷
という状態になってしまうのです。
家族にできること
私たち支援する側も
できることはあります。
でも、やはり一番大きいのは
家族の目です。
もし
- 親が一人暮らし
- 最近様子を見に行っていない
そんな方がいたら
ぜひ思い出してほしいのです。
ほんの少しの変化でも
早く気づければ
ゴミ屋敷になる前に
止めることができます。
ゴミ屋敷は「片付けの問題」ではない
実はゴミ屋敷は
単なる片付けの問題ではありません。
背景には
- 孤独
- 判断力低下
- 買い物依存
- 物を捨てられない心理
などが絡んでいます。
そのため
家族だけで片付けようとすると
とても大変です。
そんな時は
専門業者に頼るのも一つの方法です。
ゴミ屋敷の片付けはプロに頼るという選択
最近では
高齢者宅の片付けを専門にした業者も増えています。
たとえば
アールクリーニングのような業者は
- ゴミ屋敷片付け
- 不用品回収
- ハウスクリーニング
- 消臭・除菌
までまとめて対応してくれます。
家族だけでは手がつけられない状態でも、
プロなら短時間で
生活できる空間に戻してくれることがあります。
「もう無理かもしれない」
そう思った時は
無理せずプロに頼るのも
大切な選択です。


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