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面会のたびに、お菓子を持ってくる息子さん――家族教育という現場の仕事

介護

毎日、お母さんに面会に来る息子さん

うちの施設に、毎日お母さんに面会に来る息子さんがいます。

独身の方で、お母さんがとにかく大好き。

面会中の二人は本当に幸せそうで、こちらまで温かい気持ちになります。

ただ――ひとつだけ、困っていることがあって。

持ってくるのは、お菓子と差し入れ

息子さん、毎回お母さんに差し入れを持ってくるんです。

それが、お菓子。

ところが、お母さんには糖尿病があって、施設では食事制限をしています。

それを、息子さんはわかっていない(わかっていても、ピンと来ていない)様子で、

毎回、こんもりお菓子を持ってきてくれるのです。

以前は、別の階で食べさせていた

「施設の食堂や談話室で食べていたら、職員に止められる」

そう察したのか、息子さんは以前、お母さんを別の階に連れて行って、こっそりお菓子を食べさせていました

ポテチたち職員の目が届きにくい場所を選んで。

ある日、トイレでバレた

ところが、ある日。

別の階にいる最中、お母さんが「トイレに行きたい」と言い出した。

息子さんは、介助のやり方がわからない

困った息子さんは、たまたま近くにいた見ず知らずの事務員さんに「すみません、母をトイレに連れて行ってもらえませんか」とヘルプを求めたのです。

事務員さんは介護職員じゃない。介助なんて慣れていない。

それで施設側で大問題になり、それからは階の移動は禁止になりました。

実は、お母さんを置き去りにした前科も

「階の移動禁止」は、けっこう厳しめの対応です。

普通ならそこまでにはならないのですが、

実はこの息子さん、過去にもお母さんを別の階に置いたまま、帰ってしまったことがありました。

お母さんは認知症があり、一人ではエレベーターに乗れない

しばらくして職員が見つけて、お母さんを自分のフロアまで連れて戻りました。

そういう経緯もあって、面会は職員の目が届く範囲で――というルールが固まったのです。

「お母さん大好き」の愛は、本物

ここまで読むと、息子さんが悪いように見えるかもしれません。

でも、違うんです。

息子さんは、本当にお母さんが大好きで、毎日会いに来てくれる。

面会中の二人を見ていると、こちらまでほっこりするくらい。

愛情は、本物。

ただ、「介護のリアル」「医療的な制限」のほうが、追いついていないだけなのです。

「長生きしてほしいなら」は、毎回忘れる

施設で頑張って食事制限をしても、

息子さんが毎日お菓子を持ってくるので、お母さんの体重は全然減らない

血糖コントロールも難しい。

ポテチたちは何度も、

ポテチ
ポテチ

長生きしてほしいなら、お菓子の差し入れは控えてくださいね

ポテチ
ポテチ

お母さん、何回も病院に運ばれてますよね?

と伝えるのですが――

息子さんは、それを覚えていないんです。

毎回、忘れちゃう。

どうしても何か持っていきたいなら、選択肢を変える

「お菓子を持っていく」こと自体は、息子さんなりの愛情表現。

頭ごなしに否定するのは、ちょっと忍びない。

そんなとき、こちらから提案できるのが、低糖質スイーツです。

最近は、味も見た目も普通のスイーツとほとんど変わらないものが増えていて、

シャトレーゼの「糖質カットスイーツ」は、シニア世代にもなじみがあって受け入れられやすい印象です。

「お菓子を全部禁止」じゃなくて、「これなら、たまにOK」に置き換える。

家族の愛情を消さずに、お母さんの体を守る。

ポテチが現場で見ている、ちょうどいい落としどころだと思っています。

家族教育も、現場の大事な仕事のひとつ

利用者さん本人へのケアと同じくらい、

ご家族への説明・教育は、施設の大事な仕事のひとつだと思います。

「制限してください」と言うだけじゃ、伝わらない。

「なぜ必要なのか」「過去にどう困ったか」を、何度も繰り返し。

ときには絵や数字で見せながら、ご家族と一緒に考える。

これが、本当に時間のかかる作業です。


息子さんの愛は、本当にきれいです。

ただ、長生きしてほしいなら、「制限を守る愛」もある。

そう伝わる日が来るまで、ポテチも諦めずに話していこうと思います。

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