嚥下が心配でも、形を変えれば「乾杯」も「お寿司」も楽しめる。現場目線で感じた、小さな工夫と大きな満足の話です。
高齢になると嚥下機能が落ちて、誤嚥(ごえん)のリスクが上がります。飲み物にとろみを付けるのが安全策ですが、炭酸水にはとろみが乗りにくいことが多く、ビール好きの方にはつらい現実……。お誕生日や特別なお祝いの席なら、なおさら「少しでいいから飲ませてあげたい」というお気持ちになりますよね。
とろみのレモンサワーで、安心の乾杯
先日、とろみ付きのレモンサワーをいただく機会がありました。ビールもありましたが、私はサワー派なのでこちらを選択。
口に含むと、しゅわっとした炭酸の刺激はちゃんと残るのに、喉を通るスピードはゆっくり。普通の炭酸飲料がサーッと落ちていくのに対して、「ちょっと待ってね」と優しく進んでくれる感覚です。これなら嚥下に不安がある方でも、気管へ入りにくく、安心して乾杯できると感じました。
柔らか手毬ずしというごちそう
この日は柔らか手毬ずしもいただきました。見た目は水羊羹のようにコロンと可愛らしい一口サイズ。シャリには少し酸味があり、鯛・うなぎ・卵・サーモン・えびの5種類がそれぞれしっかり感じられます。
シャリの粒々の存在感は残りつつも、舌で押しつぶせるやわらかさ。噛む力や嚥下に不安がある方でも、「味わう楽しみ」をあきらめずに美味しくいただける工夫に、ちょっと感動しました。
現場メモ:安全に楽しむためのコツ
- 姿勢:軽く顎を引き、背もたれで体幹を安定。できれば座位で。
- 量とペース:最初は少量、少しずつ。むせ込みがあれば中止。
- 食形態:飲み物はとろみの濃さを安定させる/料理は舌でつぶせる硬さを目安に。
- 声かけ:「一口どうですか?」と様子観察。表情や咳、声の濁りに注意。
- アルコール:体調・服薬状況で可否や量を事前に確認。無理はしないが最優先。
※医療的判断が必要なケース(反復するむせ・誤嚥性肺炎の既往・重度嚥下障害など)は、主治医や言語聴覚士(ST)へ相談してください。
まとめ:形を変えて、同じテーブルに
誤嚥が心配だからと、大好きな飲み物やお寿司を我慢してきた方も少なくありません。けれど、とろみ付きのレモンサワーや柔らか手毬ずしのように、形を変えれば同じテーブルで一緒に楽しめることがあります。お祝いの時間は「何を口にするか」だけでなく、「誰と、どんな時間を過ごすか」。その時間を守ってくれる、小さな魔法の二品でした。
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嚥下に心配がある大切なご家族の、お誕生日や敬老の日のお祝いに、いかがでしょうか。
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