強迫泣きしてしまうおばあちゃんがいました。
何かをしようとすると、手で追い払うような仕草をして泣いてしまう。
泣いて、拒否して、また泣く。
そんな状態が続いていました。
食事の時間になっても食べようとしません。
介護職員が食事介助をしても首を振って拒否。
「食べないと元気が出ないよ」
「少しだけでも食べようか」
そんな声かけをしても、返ってくるのは涙だけ。
家族が来ても泣く。
お友達が来ても泣く。
とにかくずっと泣いている。
そして食べようとしない。
周りの職員みんなが心配していました。
環境の変化が大きなストレスになることも
この方は回復期の病院から老健に移ってきたばかりでした。
娘さんに聞くと、病院でも拒否はあったそうです。
それでも、少しずつ慣れてきたところだったとか。
せっかく慣れてきた病院を離れ、また全く知らない場所へ移る。
高齢者にとって、この環境の変化はとても大きな出来事です。
不安や混乱が強くなり、涙として表れることもあります。
急に泣いてしまう「強迫泣き(情動失禁)」
高齢者が急に泣いてしまう場合、 強迫泣きという状態のことがあります。
医学的には情動失禁と呼ばれます。
これは、 感情とは関係なく涙が出てしまう状態です。
例えば次のような特徴があります。
- ちょっとしたことで急に泣く
- 自分でも理由がわからない
- 涙が止まらない
- 泣いたあと落ち着くこともある
脳の働きの変化や認知症、脳梗塞のあとなどで 起こることがあります。
リハビリの現場ではこんなことも
リハビリでは、どうしても本人が嫌がることもしなくてはいけません。
例えば、麻痺している手足のストレッチなどです。
痛くないように気をつけていても、 本人にとっては「何かされる」という不安があります。
ただでさえ警戒しているところにリハビリをするわけですから、 泣いてしまうこともあります。
少しずつ慣れてくることもあります
それでも最近、このおばあちゃんは 少しずつ食べるようになってきました。
環境に慣れてきたのかもしれません。
高齢者にとって、 「場所が変わる」ということは 私たちが思う以上に大きな出来事です。
家族ができること
もし高齢の家族が急に泣いてしまう場合、 まず知っておいてほしいことがあります。
それは 「わがままではない可能性がある」 ということです。
無理に理由を聞き出すより、
- 落ち着いた声で話す
- 安心できる環境を作る
- 慣れるまで待つ
こうした対応が大切になることもあります。
焦らず、少しずつ。
それもまた、介護の時間なのかもしれません。
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