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「若い頃は素敵でも、老後は住みにくい家?──PTが考える“ずっと暮らせる家”の条件」

介護の現場から

最近、住宅街を歩いていると、細い土地に建てられた狭小住宅や、フロアを半階ずつずらした「スキップフロア」のお家をよく見かけます。デザインもおしゃれで、限られた土地をうまく使っていて、若い世代にはとても魅力的に見えますよね。

でも、理学療法士(PT)の目線から見ると、どうしても思ってしまうのです。

「それ、60歳・70歳・80歳になっても住める家ですか?」


スキップフロアは「ちょっとした段差」の連続

スキップフロアは、空間を広く使える反面、「段差」が多くなります。

元気なうちは気にならないのですが、年齢を重ねていくと、ふとした段差が転倒や骨折の原因になることも少なくありません。

段差は、生活の自由を奪う。
これは、リハビリの現場で日々感じていることです。


今入所している利用者さんの中にも、戻れない家がある

当施設でも、

  • 自宅が集合住宅の4階にある
  • でもエレベーターがない

という方が少なくありません。

昔はエレベーター設置が義務ではなかったので、こういう建物は本当に多いのです。

そして、そういう方が入所してくると、退所支援の場面で必ず悩みます。

「家に帰りたい」
でも、階段を上がることができない。

…これ、ほんとうに辛いです。

エレベーターが一つあれば、自宅に帰って過ごせたはずの方は、きっとたくさんいます。

若い時は、階段なんて気にしてなかったんだけど。。。


「今の住みやすさ」だけでなく「未来の住みやすさ」も

家づくりって、どうしても「今の自分」を基準に考えがちですよね。

でも人は必ず老います。

・膝が痛くなる日が来るかもしれない
・手すりが必要になる日が来るかもしれない
・階段が障害になる日が来るかもしれない

「今、快適」だけではなく、
「未来の自分が暮らせるか」
も一緒に考えてほしいのです。


PTとして思う「ずっと住める家」のポイント

  • 階段の段差が少ない or 回避できる動線がある
  • 1階で生活が完結できる(寝室・トイレ・浴室がある)
  • 手すりがつけられる壁設計になっている
  • 廊下や出入り口に車椅子の余裕がある

おしゃれじゃない、と思うかもしれません。

でも、「いつかの自分」を守ってくれる家です。


最後に

家は「人生の舞台」です。

若い頃に便利だったつくりは、歳を重ねると途端に不便に変わることがあります。

だからこそ、今 家を建てる人・これからリフォームを考える人には、ちょっとだけ想像してみてほしいのです。

何十年後の自分が、その家で穏やかに暮らしている姿を。

その視点があるだけで、未来の暮らしは大きく変わると思っています。

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