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痩せたのに膝が痛い?——80代母が教えてくれた“筋力”の大切さ

ポテチの日常

うちの母は、80歳を過ぎてもなお喫茶店で働いているという、なかなかのパワーウーマンです。昔ながらの常連さんや、お友達とおしゃべりしながら過ごす毎日。社会とのつながりがあることで気持ちも若返るようで、「仕事をしているから元気なのよ」と笑っているくらいです。

ただ、最近ちょっと気になることも増えてきました。夜遅くまで働いていたり、食事がどうしても簡単になっていたり。さらに「膝が痛い」「腰が痛い」と言う回数も増えてきたのです。

3年前に胃を5分の4切除。そこからぐっと体重が減った

実は母は3年前に胃がんを患い、胃の5分の4を切除しました。手術後はどうしても一度に食べられる量が少なくなり、体重もぐーっと落ちてしまいました。

本人はというと、「痩せたら動きやすくなったし、ちょうどよかったわ」と、むしろ喜んでいる様子。女性あるあるです(笑)。でも理学療法士としての私はこう思いました。

ポテチ
ポテチ

いやいや、お母さん、それね、脂肪じゃなくて筋肉も落ちてるやつだよ…!

「痩せたら膝が痛くなった」それ、筋肉が落ちたサインかも

ある日、母がまた「膝が痛い」「腰も痛い」と言うので、私はついに指摘しました。

「それね、痩せたからじゃなくて、筋力が落ちたから痛くなってるんだよ?」

すると母、目をキラッとさせて、

ポテチ母
ポテチ母

あぁ、痩せたから痛くなったのね!

…ちょっと違う、けど惜しい(笑)。

高齢になると、脂肪よりも先に筋肉が落ちやすくなります。筋肉は関節を支える“コルセット”みたいな役割をしているので、そこが弱くなると、いくら体重が軽くなっても膝や腰がグラつきやすくなるんです。結果として、

  • 長く立っていられない
  • 階段の上り下りがつらい
  • しゃがむと膝が抜けそうになる

といった症状が出てきます。

胃が小さい人こそ「少しずつ・こまめに・タンパク質」

胃を大きく切除した方の場合、1回でたくさん食べるのは難しいです。なので、若い人のように「1日3食でしっかり食べてね!」と言っても現実的ではありません。

そこでポイントになるのが、「少しずつ」「こまめに」「タンパク質を入れていく」ことです。

たとえばこんな感じです。

  • 朝:バナナ+ヨーグルト+ゆで卵
  • 10時:チーズ1個やプロテインドリンクを半分
  • 昼:普段の食事に豆腐・魚・鶏肉を少し足す
  • 15時:サバ缶を少量+味噌汁
  • 夕:消化にやさしい肉・魚・卵料理を少なめに

このくらい“小刻み”でも、トータルで見るとしっかりタンパク質がとれます。

おすすめの常備タンパク質

高齢者の一人暮らしでありがちなのが、「ある日はちゃんと作るけど、疲れてる日はパンとお茶だけ」パターン。これが続くと一気に筋力が落ちます。

なので、ストックしやすいものがあると安心です。

  • サバ缶・ツナ缶(汁ごと使えるとベター)
  • 個包装のチーズ
  • ヨーグルト・飲むヨーグルト
  • ゆで卵を作っておく
  • メイバランスなどの栄養補助飲料

「今日はあんまり食べられなかったな」という日に、こういうものを1品足すだけでも違います。

ポテチ母
ポテチ母

私は冷凍のサバを焼いて食べてるわよ

動かないと筋肉は“来てくれない”

ここも大事なポイントです。たんぱく質をとっても、全然動かない生活をしていると、体が「この筋肉いらないんだな」と判断してしまいます。なので、少しでいいから“使う”こと。

母のようにお店で動いている人はいいのですが、休みの日にゴロゴロしているのなら、こんな運動をおすすめしています。

① 椅子からの立ち座り(10回×1〜2セット)

背もたれのある椅子に座って、手を太ももに置いたまま立ち上がる。ゆっくり座る。これを繰り返すだけで、太ももとお尻まわりが鍛えられます。

② 膝伸ばし(座ってできる)

椅子に座って、片脚ずつまっすぐ前に伸ばす。膝のお皿が上に引き上がるように意識して5秒キープ。左右10回ずつ。

③ つま先立ち

キッチンの台につかまって、かかとを上げ下げする。ふくらはぎは「第二の心臓」とも言われているので、ここを動かすと血行も良くなります。

社会とつながっていることは大正解

ここまで栄養と運動の話をしてきましたが、実は一番の「介護予防」は、母が今まさにやっている「人と話すこと」「外に出ること」です。

仕事でもボランティアでも、趣味の集まりでもいいのですが、他人と会って話すと、表情も姿勢も、声のトーンも若返ります。これは自宅の中だけではなかなか出ない効果です。

だからこそ私は、母には「働くのをやめなよ」とは言いません。その代わり、

  • 食事を抜かないように“置きおかず”をしておく
  • 膝が痛い日は無理せず動きを減らす

といった“安全装置”をつけてもらえたらいいなと思っています。

まとめ:高齢者は「見た目より筋力」!

  • 痩せた=健康 とは限らない
  • 特に胃を切除している方は、栄養が不足しやすい
  • 膝や腰が痛み出したら「筋力が足りていないかも?」と考える
  • 小分けでたんぱく質をとると体がラク
  • 人と話す・社会とつながるのは最高のリハビリ

お母さん世代には「見た目よりも、筋力を大事にしてね!」と声を大にして伝えたいです。

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