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脳出血からの帰宅希望。鍵になるのは「ケアマネジャー選び」

介護の現場から

さて、最近の悩ましい事例は、70代前半のとある男性のこと。

ある日、出勤して来ないことを不審に思った同僚が、彼の部屋を訪ねました。そこで発見されたのは、脳出血で倒れた状態の彼。そのまま救急搬送され、なんとか命は取り留めたものの、右片麻痺、失語症、高次脳機能障害が残ってしまいました。

回復期では、リハビリをがっちりと行い、短下肢装具を装着して、平行棒内で介助歩行が可能なレベルまで回復。

ご本人は、購入したマンションでの一人暮らしに戻ることを強く希望しています。妹さんは飛行機でなければ来られない遠方に住んでいますが、年齢もまだ若く「特養に入れるのは忍びない」との思いがあるようです。


「帰りたい」をどう支える?

ただし、一人暮らしを再開するには、以下のような高いハードルがあります:

  • 歩行は介助下でしか行えない
  • 失語と高次脳機能障害により、服薬管理や金銭管理などに不安がある
  • 近くに頼れる家族がいない(妹さんは遠方)

こういった場合、本人の気持ちを大切にしつつ、現実的な支援体制を整えていく必要があります。ここで非常に重要になるのが、「どんなケアマネジャーに支援してもらうか」です。


しっかりしたケアマネさんって、どんな人?

今回のような医療依存度の高いケースでは、以下のようなケアマネさんが理想です:

  • 脳血管障害の対応に慣れている(麻痺・高次脳への理解がある)
  • 在宅サービスに強い(訪問看護・訪問リハ・緊急通報などを組み合わせられる)
  • ご本人の想いを「否定せず寄り添える」対話力がある
  • 遠方の家族とも上手に連携をとってくれる

医療やリハ職が「この人に任せたい」と思えるケアマネさんに出会えるかどうかで、今後の生活が大きく変わってくるのを、私たちは何度も見てきました。


ケアマネさんの探し方のコツ

  • まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。「医療的に重いケースを多く担当してきたケアマネさんがいい」と具体的に伝えるのがポイントです。
  • 病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)に紹介をお願いするのも有効です。
  • 施設の場合は相談員に紹介をお願いするがよいでしょう。
  • 契約しても合わなければ変更可能なので、遠慮せず「合う人探し」をして大丈夫。

どんなサービスを組んでくれるか、だけでなく、どれだけ「寄り添ってくれるか」が本当に大切。


おわりに

「帰りたい」——その想いは、決して軽くない。

でも、それをかなえるには、家族でも、私たち専門職でもない、“もう一人のキーパーソン”が必要です。

その名は、ケアマネジャー。

この方の生活を支える旅路は、これから本格的に始まります。
その第一歩として、信頼できるケアマネさんに出会えますように。


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