先日、退所前訪問に行ってきました。
今回のご本人は、杖での歩行が安定してきた方。施設からご自宅まで車で向かい、車を降りてからは杖で歩いてご自宅へ。
門の段差もアプローチの段差も、上り框(かまち)もすんなりとクリア。以前、亡くなったご主人が使っていた手すりが、家のあちこちに残っていたのが功を奏し、動線もスムーズ。
「凄いスムースだねぇ……」
と、見ていた息子さんも驚きの様子でした。
ところが、ちょっと気になる場面も…
自宅での生活をケアマネージャーさんを中心に話し合っている中で、「配食サービスも必要だね」という話になりました。
「じゃあ、配食が届いたときの動作確認もしよう」と、もう一度玄関の段差を下りていただいたとき──
ふわっ……
一瞬、重心が後ろに流れました。
片側には横手すりが入っていたのですが、反対側には何もなし。
「これは……手すり、あったほうがいいよね」
ということで、急遽、福祉用具専門の方に連絡。すぐに駆けつけてくれて、玄関の寸法を測りながらいろいろと相談。
「住宅改修で固定式の手すりをつけるのもアリですが、退所日に間に合わせるなら、置き型手すりの方が現実的ですね」と提案を受けました。
しかも、
「この手すりなら、干渉を避けて少し手前に設置できますよ」
と、既存の縦型手すりとの相性も考慮した配置をその場で提案。
いやぁ、餅は餅屋ですね。プロの視点はやっぱり違います。
おわりに
退所前訪問って、ただ家に戻ってみるだけじゃなくて、「戻った後の暮らし方」を具体的にイメージすることが大切なんだと、改めて感じた一日でした。
手すり一本の有無で、安心感がガラリと変わる。
ご本人が安心して「おかえりなさい」と言える日が、もうすぐやってきます。
退所前訪問の目的や流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。▶退所前訪問って何をするの?
\今回おすすめの福祉用具/
玄関や上がり框に置くだけで使える、工事不要の置き型手すり。退所前の準備にも最適です。
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