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父がたどった“長い介護の道”——あのとき知っていれば選んでいた老健という選択肢

介護

🧓 父の介護を通して思う。「あの時、老健という選択肢を知っていれば…」

うちの父は、認知症が徐々に進み、最初は母と二人でなんとか暮らしていたのですが、ある時期から自宅での生活が完全に難しくなりました

そして、気づけばこんな道を辿っていました。

🗺️ 父の介護の道のり

  1. 自宅での生活が限界に → A病院精神科へ入院
  2. 認知症の症状が少し落ち着いたタイミングで、有料老人ホームへ入所
  3. しかし、集団生活になじめず、不安や混乱が強くなる日々…
  4. 再びB病院精神科へ入院 → その後、C病院精神科へ転院
  5. そして、ようやく特別養護老人ホーム(特養)へ入所

振り返ると、「遠回りだったなぁ…」という思いが、今も心に残っています。
もし、あのとき“老健”という選択肢を知っていたら、有料老人ホームには入れていなかったかもしれない。


🏥 老健と特養って、どう違うの?

家族の立場からすると、**「どっちも施設でしょ?」**と感じがち。
でも、目的も期間も、入居のハードルもまったく違うんです。

比較項目老健(介護老人保健施設)特養(特別養護老人ホーム)
主な目的在宅復帰のための中間施設長期的な生活の場
利用期間原則3〜6ヶ月(延長あり)基本的に長期入所
入所条件要介護1以上(多くは要介護2〜)原則要介護3以上
医療体制医師・看護師常勤、リハビリスタッフも充実看護師はいるが医療ケアは限定的
リハビリ施設の体制によって違うが、強化型・超強化型は週3日以上、個別に対応基本的にはリハビリなし
空き状況比較的入りやすい(退所前提)数年待ちになることも
費用感月7〜12万円程度(保険+食住)月6〜10万円程度(所得による)

🧑‍⚕️ 老健は、いわば「立ち止まる場所」

病院を退院して、いきなり家か、長期施設かを選ぶしかないと思っていた私たち。

でも、老健という場所はその“あいだ”をつないでくれる場所だったんですね。

  • 病院ほど医療漬けではなく
  • でも自宅ほど負担が大きくなく
  • そして「次」を考えるための猶予が持てる

今思えば、有料老人ホームに入れるよりも、まず老健で少し落ち着いてから次を考えるというステップを踏めていたら、
父も、そして母も、もう少し楽だったんじゃないかと思います。


🧘‍♀️ 特養は「終の住処」。焦らず選ぶことも大切

一方で、特養は基本的に“長く暮らす場所”
「とりあえず一時的に入る」という目的には向いていません。

また、人気施設ほど数年待ちもザラ。
空きが出るまでの“つなぎ”としても老健は活躍します。


📣 迷ったら、地域包括支援センターに相談を!

私たち家族もそうでしたが、「施設を選ぶ」となると、どうしても混乱してしまいます。

そんな時に頼りになるのが、地域包括支援センター担当ケアマネさん
状況に応じて、老健なのか特養なのか、それ以外の選択肢なのかを整理してくれます。


🐥 まとめ:あのときの自分に伝えたい。「老健という選択肢、あるよ」

お父さんの介護を通して痛感したのは、知っていれば避けられた遠回りがあったということ。

老健と特養、それぞれに良さがあります。
でもその違いを知らずに選ぶと、本人も家族も苦しくなってしまう

あの時の私のように、迷っているご家族がいたら、
ぜひ「老健という選択肢もあるよ」と伝えたいです。

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