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老健で出会った「レビー小体型かもしれない」認知症の方|診断できない現場で私たちが見るポイント

介護の現場から

今回は認知症の診断をまだ受けていないおばあちゃんのお話です。

※個人が特定されないよう、背景や表現は一部調整しています。

認知症の違いをご存知でしょうか?

認知症は大きく分けて、次の4つに分類されます。

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症

これらは「4大認知症」と呼ばれ、認知症患者全体の90%以上を占めています。

この中でもアルツハイマー型認知症は割合が大きく、脳梗塞などの既往が目立たない場合、つい「認知症=アルツハイマー型」と捉えられてしまうことも少なくありません。

今回入所されたお婆ちゃまの違和感

今回入所されてきたお婆ちゃまは、既往歴には「アルツハイマー型認知症」と記載がありました。

ただ、実際に関わってみると、どうも様子が違うのです。

アルツハイマー型とレビー小体型の“目立つ特徴”

職員間では、「レビーっぽいよね……」という声がちらほら出ていました。

というのも、認知症は種類によって「目立つ症状の特徴」がはっきり違うからです。

アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は、見当識障害(時間・場所・人の把握が難しくなる)や、記憶障害が目立ちやすいと言われます。

レビー小体型認知症の特徴

一方、レビー小体型認知症では、次のような特徴が目立ちやすいとされています。

  • 幻視(はっきり見える)
  • 妄想
  • 症状の波(良い日と悪い日の差が大きい)
  • パーキンソン症状(小刻み歩行、筋固縮、動作緩慢など)

老健では確定診断ができない

ただ、老健では確定診断をつけることはできません

医療機関ではないため、私たちにできるのは、日々の様子を丁寧に観察し、必要な情報を整理して、ご家族や関係機関と共有することです。

それでも、今の状態ではリハビリが進まない

しかしながら、現場としては困りごとが出てきます。

今の状態では、リハビリがなかなか進みません。

歩行器で歩いても小刻みで不安定。さらに歩行中、突然、

お婆ちゃん
お婆ちゃん

あそこで呼んでいるの、わからない!?

と、違う方向に進もうとします。

訓練が終われば、

お婆ちゃん
お婆ちゃん

私は小学校の運動会だっていうから来たのに、運動会がないなら帰るわよ。

と話され、こちらの現実と大きくズレた状況認識が見られました。

もちろん、ここで「レビー小体型認知症だ」と断定はできません。

ただ、私とは違う世界にいるように見える――そんな印象が強く残る場面が続きました。

1ヶ月の面談を待たずに、ご家族へ現状を共有

そこで、1ヶ月の面談を待たずに、ご家族様には現状をお伝えしました。

リハビリ中の様子、歩行の不安定さ、注意のそれやすさ、発言内容などを、できるだけ具体的に共有しました。

ご家族も「レビー小体型では?」と感じていた

すると、ご家族様は、

「レビー小体型認知症ではないか?と疑っていた」

とのことでした。

ただ、高齢であること、そして認知症は検査しても“治る病気ではない”という思いもあり、検査までは至っていなかったそうです。

……そうか、そうですよね。

在宅復帰ではなく、施設へ向かう調整へ

結果として、ご自宅に復帰するというよりも、施設に行く方向で調整を進めていきましょう、という話になりました。

ご家族としては、ご自宅で帰りを待っているお父さんがいるので、お母さんを家に帰してあげたかったと。

その気持ちは、とてもよくわかります。

でも、この状態で老夫婦だけで暮らすのは難しい――それが現実です。

まとめ:診断はできない。でも気づけることはある

認知症はひとくくりに語られがちですが、タイプによって症状も、リスクも、関わり方も大きく違います。

老健では診断はできません。

それでも、日々の関わりの中で「いつもと違う」を見つけ、情報を整理し、ご家族と共有し、次の選択肢につなげることはできます。

希望だけを見て在宅に戻すのではなく、事故や混乱を防ぎ、生活が続く選択を一緒に考える

それもまた、現場の大切な役割だと感じたケースでした。

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