🧓「こんな状態で家に戻されても…」家族の不安、よくわかります
病院から退院の日が決まったけれど、家族としては不安でいっぱい。
- 「前より動けなくなってる…」
- 「転ばせたらどうしよう」
- 「自分の介護だけで精一杯…」
私自身、老健(介護老人保健施設)で働く理学療法士として、
毎日のようにそんなご家族の声に触れています。
そしてそのたびに、こう思います。
“その不安、決してわがままなんかじゃないし、誰にでも起こり得ること。”
🏥 老健は、退院後すぐに“自宅”が難しい方のためのリハビリ施設
老健(ろうけん)=介護老人保健施設は、
病院と自宅の“間”をつなぐ、リハビリ中心の中間施設です。
🧑⚕️ 老健の特徴(PT目線で)
項目 | 内容 |
---|---|
医師・看護師・PTなど常勤 | 医療ケアも安心。PTが個別にリハビリを提供 |
要介護認定があれば利用可能 | 主に要介護1〜5の方が対象 |
自宅復帰が目的 | ただの預かり施設ではなく、「戻る力をつける場所」 |
期間は数ヶ月〜 | 状態や目標によって調整。長期入所は不可 |
退所後の生活設計も支援 | 住宅改修・福祉用具・家族指導なども行います |
🛠️ 実際によくあるケース
📌 例1:脳梗塞で入院 → 退院後に転倒リスクが高く、老健で歩行訓練
📌 例2:肺炎入院後にADL低下 → 老健で体力づくりしながら排泄自立を目指す
📌 例3:腰椎圧迫骨折後の入院 → 日常生活動作を取り戻してから在宅へ
どれも、“いきなり自宅”ではなく、老健でのリハビリを経て、安全に戻った方々です。
👣 自宅で見るためには「ステップ」が必要なことも
私は理学療法士として、“動きの専門職”の目線からこう思っています。
「動けるようになれば安心」ではなく、
「その人らしく動けるように、“環境ごと”整える必要がある」と。
だからこそ、リハビリだけでなく、
- ベッドやトイレの配置
- 手すりや段差の工夫
- 家族の声かけの方法
なども含めて、多職種で在宅復帰をサポートできるのが老健の強みなんです。
💬 最後に:PTとして家族に伝えたいこと
退院を目前にして「このまま家に帰って大丈夫なのかな」と悩むのは、
誰だって当たり前のこと。
そんなときは、どうか「老健」という選択肢を思い出してみてください。
老健は、“一緒に考えてくれる場所”です。
「元気を取り戻す時間」と「家族が介護を学ぶ時間」を持てる貴重なステップ。
リハビリを通して“できること”を少しでも増やし、
家族みんなで安心して「ただいま」を迎えられるように。
老健勤務のPTとして、心からおすすめします。
📌補足:気になることがあれば、地域包括支援センターや病院の相談員さんへ
- 老健の費用ってどれくらい?
- どれぐらいの期間使えるの?
- どうやって申し込むの?
などは、まず地域包括支援センターや病院の医療相談員さんに聞いてみるとスムーズですよ♪
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